さよならガリガリ亡者の“JC”
さよなら我利我利亡者JC
色々な人々に会う事で、いつか何かのチャンスに巡り会える時が来るでしょう。
人との出会いは金銭的な利益だけでなく、楽しいことも嫌なことも含めて、人生において非常に貴重な教訓を与えてくれるものです。
何年も前に、日本市場に参入しようとしているネットワークマーケティング会社の通訳をする機会がありました。私の仕事は、”日本の市場を開拓する “ためにやってきたアメリカ人の “JC “という男性をサポートすることでした。
私はJCを通して、アメリカ人によくある利己的で貪欲な思考回路を、つぶさに見ることができました。
その時依頼された仕事とは、彼に代わって電話をかけたり、会議で通訳をしたり、言葉の壁のために彼ができない基本的な仕事をすることでした。
日本のことをほとんど知らない外国人が、文化的な優越感や傲慢さを持って来日する場合、隠された日本文化の壁により、より深い問題となります。
さて、まるでミッキーマウスのような、肥満で、赤毛にあごひげを生やしたJCは、常に甲高い声で怒鳴るのでした。
ネットワークマーケティングで日本に進出しようとしていたその会社は、健康補助食品の会社だったのですが、心身ともに不健康なこの男は、会社の健康とウェルネスのストーリーを表現ことは極めて難しく、最終的にはそのビジネスは失敗に終わったのでした。
日本人の感性を踏みにじるような彼の野暮ったい言動や、不機嫌で荒々しい態度に、私はいつも驚かされたことを思い出す。彼は自分自身のミスにも関わらす、私に怒鳴ってきたのでした。
彼が電話口の向こうで怒鳴っている間、彼の赤毛が炎を放ち、真っ赤な顔をして血圧が上がってきているのが目に浮かび、一人苦笑いをした。
彼が実際に日本に来た時には、私になんら落ち度が何も無かったにも関わらず、執拗に私を詰ったのでした
文化的注釈:これは、いわゆる「八つ当たり」です。
私が日本に長年住んでいてよかったと思うのは、この興奮した攻撃的で貪欲なアメリカ人を目の前にして、冷静さとストイックさを持ち合わせることができたことでした。
日本に長年住んでいてよかったと思うのは、この興奮した攻撃的で貪欲なアメリカ人を前にして、冷静さとストイックさを持ち合わせていたことだ。
彼はよく「日本人の顔を見ると1万円札にしか見えない」などと酷い事を言っていました。
また、日本人のお客様を「私の退職金」と呼ぶこともありました。
私は彼をアメリカ人の中でも特に下衆なタイプだという認識しました。
この好戦的で究極の、反吐が出るような獣のような人間の多くは、貪欲で利己的な文化により、負のエネルギーを爆発させるのです。
JCは取引の相手に対して、相手の気持ちなどは一切無視し、できるだけ多くのお金を引き出すための道具としてしか思っていませんでした。
この会社は、他の多くのネットワーク・マーケティング会社と同様に、日本に進出しようとしたのですが、たちまち失敗し、二度と戻ってはこなかったのです。彼の会社はもう少し文化的な意識を持った人を選ぶべきだったのかもしれません。このような傲慢で利己的な態度については、”日本のミッキーマウス化“という記事で紹介しています。
物語には必ず終わりがあります。JCは50歳代後半に心臓発作で亡くなりました。
JCが生前にどれだけのお金を手にしたかは私には分かりません。しかし彼が虚しい人生を送ったのではないかということだけは分かります。どんなに沢山のお金や物を持っていても、死後の世界へ持って行く事は誰にもできません。
満たされることなく、自分を人と比較することをやめられなかった彼は、その無意味な人生に不満を抱き、苦悩していたのです。
彼の通訳は私にとって、多くの貴重な教訓になり、中には厳しいものもありましたが、それを忘れることはありません。
利己主義や貪欲さは、自己欺瞞の一形態であり、最終的には挫折し、空虚で無意味な人生を送ることになるということを知っていたからです。
つまり、お金の重要性とその適切な扱い方は、平和で充実した人生を送るために不可欠であり、お金はあくまでもエネルギーの中立的な導管として見なければならないのです。
しかし、自分の目的のためだけにお金を貯めることは、人生の芸術的な失敗であり、取るに足らない人生としか考えられません。
人生は一度きりの旅の中、ユニークな経験と人々との出会いによって成り立っています。
補足:「一期一会」の大切さを伝える記事はこちら。