アメイジング・皇后・グレイス
アメイジング・皇后・グレイス
「自分は猫派か、犬派か」という議論がよくあります。
私は猫(ネコ)と犬(イヌ)の両方と一緒に育つ機会に恵まれたので、どちらとも言えます。
どんな動物にせよ、コンパニオンアニマルは、私達の孤独や、孤立の苦しみを和らげるために必要不可欠な存在です。
しかし猫対犬という二者択一では、モルモット、蛇、亀、鯉など、人間がペットとして飼っている他のコンパニオンアニマルを選択することはできません。
この退屈な考え方は、もはや賞味期限切れで、過去の遺物と化しているのは間違いありません。
古臭い二項対立的な考え方は、もうやめてもいいでしょう。
コンパニオンアニマルを飼う人、特に心無い人間に捨てられ、絶望し、苦しんでいる動物たちを救ってきた人たちは、動物への共感が高いでしょう。
私の妻、通称ビッグガールは動物が大好きで、結婚して間もなく、2014年11月にとても美しく神秘的な黒猫を私達の家族に迎えました。
捨て猫だった彼は、根気と不屈の精神、そして生きたいという一心で、私達の家に辿り着きました。
保護されたばかりのパンケークスは、餓死しそうな程痩せていましたが、運命の優しい手が彼の魂に触れ、猫の楽園とも言える、この場所に落ち着く事になったのです。
その後、我が家の猫の家族は年々増えていき、個々がそれぞれの役割を果たすようになりました。
パンケークスが我が家の一員になってから1年後、ミスター・トゥインクルが現れました。彼の性格は正に次男坊。ビッグガールの以前の職場の敷地で生まれた保護猫です。
体は一番大きいのに、実際は甘えん坊で、赤ちゃんです。
夜行性が強いのか、昼間寝過ぎている為か、深夜にニャーニャーと寂しがって、サル(私)の眠りを邪魔しに来ます。
それから1年後、さらに2匹の美しい兄妹猫が我が家の仲間に加わりました。この子達もミスター・トゥインクルと同じ場所からやってきました。
しかし、ルビーと名付けたメスの子猫は、我が家に来てわずか1週間で、風邪が元で死んでしまいました。
とても悲劇で、私達は悲しみに暮れましたが、この経験で生命の本質が痛いほど明らかになりました。
一方、兄のシナモンはとても健康で、今では三男坊として一族の社会の重要な役割を担っています。
無邪気な笑顔と、膝の上に座って深い愛を求める喜び。
他の猫達と違って、彼は「天然ボケ」という面白い個性の持ち主でもあります。
そしてそのまた2 年後、ビッグ ガールはある動物保護カフェで 、これもまた美しい猫の姉妹と運命の出会いをします。2017 年、そしてグレイス皇后とジャスミンが一族に加わったのです。
ジャスミンは、少しふくよかな姉のグレイス皇后とは異なり、痩せ型で、子猫の様に華奢で俊敏です。
私の秘書を努めており、国際問題や、難しい選択についてもアドバイスしてくれます。
ジャスミンは、新しい情報が入ってくると、すぐに対応できる柔軟性があります。
グローバル・アシスタントの存在は、このサルの人生に大きな変化をもたらしました。ジャスミンには深い感謝の念しかありません。
また、歴史好きで、ダン・カーリンの『ハードコア・ヒストリー』が特に大好きですね。
そして何よりも、最年少の女の子が、一緒に暮らす2匹のサルを含めて、皇后としての地位を確立しているのが魅力的です。
グレイスはいつも「薔薇の玉座」に座り、自分の領地を鋼のような目で眺めながら、身だしなみを整え、神々しくポーズをとっています。
グレイスは決して戦いから引き下がることはなく、冷静に悪魔を退散させることができます。
とにかく、我が家の皇后の美しい行動や、仕草のおかげで、傍にいる私達は、素晴らしく充実した日々を過しています。
コンパニオンアニマル、特に猫について言えば、単独で育てるのではなく、社会を作ってあげる事をおすすめします。猫同士の関係も非常に興味深い。そして、あらゆる場所に、愛してくれる家族を待っている、数えきれない程の動物達がいます。
時間が進むにつれて常に存在することの1つは、動物達の死という、避けられない現実があります。
しかし家族同然の動物が死ぬ悲しみは、彼らが私達に与えてくれた、数え切れないほどの喜びと、幸せに対して、支払わなければならない代償です。
コンパニオンアニマルを抱きしめて、愛することを選択した私達に、動物達が与えてくれる無欲の愛と慰めに感謝しましょう。
