ザー講義

Jun 16, 2021インスピレーション, ブログ, 忍耐

ザー講義

私は日本の自動車業界に入るために勉強している学生のために、長年ゲスト講師として英語を教えてきました。

何十年にもわたって講義をしていると、日本の学生の様子や考え方が、大きく以前と変わってきています。

1990年代初頭から2000年代にかけての第一期生とは、教室内で深い親近感と仲間意識を感じました。

Camaraderie with Japanese and Canadians

時が経つにつれ、クラスの雰囲気は少しずつ変わっていきました。

90年代初頭のバブル崩壊による社会の衰退と、それに伴う失われた世代の発生が原因でしょう。

一つには終身雇用制度が徐々に崩れてきたこと。

もう一つは、便利な加工食品の氾濫が、日本人の体と心と魂を蝕んでいること。

コンビニジャンクフード

そして家庭環境の崩壊により、離婚率が大幅に上昇し、崩壊した家庭の子供が増えたこと。

現在、社会の大部分では、絶望感や目的意識の欠如が蔓延しています。

日本のミッキーマウス化である。

そして、次の学生たちがやってきました。

彼らは失われた世代の子供たちです。

Japanese poverty

日本の親は、教師に子供のしつけの責任を負わせることが少なくありません。

しかし、箸の使い方が下手なのは、その人が育った家庭の問題でしょう。

Hold Chopsticks Correctly Please

ですから一概に、子供達自身のマナーの悪さや、大人への無礼さを責めることはできません。

しかし、すべての大人は、自分自身の態度や行動に、全責任を負なければならないと心に留めておく必要があります。

先日、鼻水を垂らした2人の子供が、大人になるための成長の機会を得ました。

私は生徒に、「教室から出て行け。」ということは稀ですが、この日だけは特別でした。

退室前に一礼

この問題児たちをしっかりと教育して送り出してあげたいという思いから、クラスの28人の生徒全員にもその「講義」を聞かせることにしました。

まず、「南シナ海に関する現在の問題を知っていますか?」と尋ねました。

沈黙。

そして次に、「石油製品がどこから来ているかを知っていますか?」

生徒は何かをつぶやきました。「石油は中東から来るのではないでしょうか?」

Oil development in the Middle East Institution of Civil ... Oil development in the Middle East

進歩ですね!

更に、「文明の生命線である石油、特に自動車産業はどのようにして日本にやってくるのでしょうか?」

そうです。

オイルタンカーです。

Oil Tankers Fuel Japan

そして次の質問は、質問というよりも、むしろ知っていて欲しいという願いの、私からの発言でした。

「中東から日本への輸送ルートを考えたことがありますか?」

そうです、南シナ海です。

Middel East To Japan Via South China Sea

もし、この石油が日本に来なくなったらどうなるか、考えたことがある人はいますか?

もちろん考えたことはないでしょう。

石油が日本に来なくなれば、仕事はおろか、明るい未来もなくなってしまでしょう。そして世の中の事を考えたこともなく、大人への態度が悪かったり、不愉快極まる行動をとったりする人間に、明るい未来は無いというのが明確な答えです。

Gas station runs out of gas during oil embargo - The ... Gas station runs out of gas during oil embargo
「講義」の締めくくりに、現実社会には、私のような温和な(愛と共感に満ちた心の)性格の人間に出会うことは、まずないでしょうと生徒達に伝えました。実社会はもっともっと厳しいのです。

ベンツのメカニックとして、あるいは専門的な自動車ビジネスの経営者として、意義のある人生を願う全ての人に幸あれ。

あとがき

このブログのを書いた後の、他の授業の出来事です。

誰かに話しかけられた時に無視することは、社会人としてどうでしょう。

そんな相手の注意を引くために、時には大きな声を出す必要があります。覚えておきましょう。

そのことを思い出させてくれたのは、ある横柄な生徒でした。

彼は授業中、教科書も開かずスマホの画面に夢中でした。そして私の呼びかけにも答えませんでした。

教室では、教科書さえ開いていれば、実は私は怒りません。

これを「建前」といい、「社交辞令」といってもいいでしょう。

そして私はその生徒に叱咤激励し、本人とその他の生徒の成長と啓発のために、私に続いて唱和するようにと言いました。

私「千里の道も一歩から」

生徒達「千里の道も一歩から」

私「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

生徒達「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

私「自業自得」

生徒達「自業自得」

私「身から出た錆」

生徒達「身から出た錆」

私「自ずと明確になります」

生徒達「自ずと明確になります」