リーチ 59
リーチ 59
ビンゴと聞くと、私のような西洋人にとって、先祖代々の家からすぐのところにある教会の地下で、お年寄りがブラックコーヒーをがぶ飲みし、タバコをチェーンスモーキングしながらというイメージが思い浮かびます。
このように、アメリカでよくあるような、教会や煙の充満したビンゴホールとは違いますが、日本人もビンゴが大好きですね。
日本ではパーティーの席などで、景品をかけてビンゴを楽しむのが定番です。
そして、あと1マスで勝ちというときに、日本人はなぜか「リーチ!」と叫びます。
日本では、「リーチ」いう便利な言葉がいろいろな場面で使われますが、ビンゴにも使われるとは、私にとって特に印象深いものでした。
なぜでしょう
1963年10月24日14時20分、私は驚異のスーパーマザーの産道を通り、地球の大気圏に突入しました。
そして太陽を追いかける長い人生の旅が始まりました。今年は、愛する太陽の女神の周りを回り続け、59回目の旅となります。
そして今、60というマジックナンバーが目前に迫り、「59歳の年」という特別な年になりました。
59回目の誕生日、そうですリーチなんです。
そして次には、人生の大切な節目の「還暦」という温かなイベントがあります。
還暦とは本来、赤いちゃんちゃんこを身にまとい、氏族から崇敬を受け、氏族の長に深く感謝する素晴らしい行事です。
時の流れに思いを馳せ、人生の節目節目に感じること。
小学校の窓に腰掛けながら、空想にふけっていた頃を思い出します。
「この退屈な大人達は、いつになったら面白いことを言うのだろう。」
時間はカタツムリのように遅く、いつまでも終わらないような気がして、貴重な時間と人生を無駄にした気がしたものでした。
さて、1987年1月11日、初めて日本へ向かう飛行機を待っている時は、ワクワクした気持ちが止まりませんでした。
しかし、人生万事塞翁が馬。時間という抽象的な概念の中で、このような出来事も瞬く間に過ぎ去り、もう35年以上も前の事になります。
死という究極の平等は、誰にでも突然訪れるし、自分の人生も終わってしまうのだから、あまり深く考えなくてもいいでしょう。
60歳代からが人生本番、本当に面白くなり始める年代と言えるでしょう。
子育てを始めとする、大人としての平凡でストレスの多い仕事は一段落。
30年以上、忙しい現代社会で後回しにしてきた欲望を実現させる時期でしょう。
もし、自分の未来の60歳代が困難な未来に思えても、絶望しないでください。
キャリアを積んで60歳で定年を迎え、その後は80歳、さらにその先まで続く人生のセカンドステージについて、もうひとつ強力な考え方があります。
基本的には、もう一回、自分の思い通りになる人生の時間があるのです。
そのように時間を考えることで、未来への希望や目的が生まれ、ぼんやりとしていたビジョンが現実のものとなるのです。
私の好きな四字熟語は「有言実行」です。
リーチ59の自分への誕生日プレゼントとして、母なる大地で残りの時間を過ごすための、2つのプロジェクトに取り組み始めました。
両手と心をいっぱいに使って成長し、学び、生き生きとした大人の第二のステージを、自分自身に約束するのです。
よく「歳をとっただけ」と言われる事がありますが、長年のキャリアで培った才能と経験で新しいプロジェクトに挑戦すれば、まだまだ希望はあるのです。
自分自身を惜しげも無く表現し、母なる地球で自分の短い時間が尽きる時、全ての人が運命によって導かれ、最後に人生は結実するのです。