人格者と謙虚さ

Feb 16, 2022インスピレーション, ブログ, 勉強, 語学

人格者と謙虚さ

実るほど頭を垂れる稲穂かな

私がこの言葉を実際に聞いたのは、35年間でたった2回だけです。

初めてこの上品な言葉を耳にしたのは、京都出身の私の大切な医師である友人と、刺身の美味しい居酒屋に行った時のことでした。

同じ店では30代後半の男性2人と年配の紳士1人の計3人がカウンターに座り、日本料理の3点セット(刺身、日本酒、漬物盛り合わせ)を堪能しているようでした。

刺身船 - Land Of The Rising Son

酒が進み、そのカウンターの人達は盛り上がり始め無礼講となり、それぞれの個性がむき出しになっていきました。

若い二人が自画自賛ではしゃいでいるのに対し、年配の方は堂々としていました。

この若い二人は千葉県の下っ端の官僚、年配の方は千葉県庁の幹部という話でした。

Chiba Ken Fun Map - Land Of The Rising Son

1990年頃の日本の片田舎で、その官僚達の様子を見て、愛する私の友人医師は、謙虚さという大切な教えを私に授けてくれたのです。

この神妙な言葉は、威厳と謙虚さを持つ人に付随する、真の強さと価値を体現しているのです。

ミノルホドコウベヲタレルイナホカナ

稲穂が実れば実るほど、謙虚な姿勢になる

稲が成長し稲穂が垂れ下がる様を、成長する人に例えることができるのです。

人としての在り方を稲穂で表現しているのです。

青々とした稲穂は、空に向かってまっすぐに伸び、やがて実をつける稲穂に成長します。

穂の中の実が大きくなると、実の重みで稲穂は自然に垂れ下がり、美しい黄金色に変化します。

豊作天照大御神ありがとう - Land Of The Rising Son

稲はその生涯において、強い風雨にさらされ、寒い日も暑い日も乗り越えて、立派な稲に成長し、豊かな実を結ぶのです。

この絶妙な言葉の比喩は、品位、謙虚さ、名誉を備えた丸みのある人間になるとは、どういうことかということでしょう。

人は、幼い頃はまっすぐ上ばかりを見て立派に成長し、さまざまな荒波や苦難を乗り越えて、立派な人格を形成していきます。

そして人はより謙虚になり、自らの偉業への旅路の中で、たくましい米の豊かな恵みでより深く頭を下げるのです。

逆に、ふっくらとした米粒に育っていなければ、実も乏しく、中身のない米になってしまうでしょう。

そのような米は、見た目は立派でも重さがないため、頭が低くなることはないのです。

Japanese Bowing To Each Other - Land Of The Rising Son

このように米の生態に例えた上品な表現は、立派な外見や肩書きがあっても中身がない人は、虚勢を張っているだけの小者であり、人格者とは程遠いということを示してます。

そして「ミノルホドコウベヲタレルイナホカナ」に2回目に遭遇したのは、ほんのつい最近のオンライン講義の中ででした。講師は・・・そうです、京都の方でした。

ようこそ京都へ - Land Of The Rising Son

参考のリンクはここにあります。