右脳・左脳 – パート2
右脳・左脳 – パート2
1970年代の角田忠信博士の研究によると、日本人と外国人では脳の半球の優位性に根本的な違いがあることが分かりました。
その違いは母国語の違いによるものであるのだということです。
さらに驚くべきことに、角田氏は常に右脳を優位にする言語が2つしかないことを発見しました。それうは日本語とポリネシア語だけなのです。
音楽家でもある角田博士の研究によると、脳のどちらが優位になるかの秘密は、その言語の音が調和的か非調和的かによって決まるとの事です。
その結果、日本語は調和的な言語であるために右脳が使われ、他の言語は非調和的であるために左脳が使われるのです。
日本人は、世界で唯一の右脳中心の思考を持つ、大規模な集団であることで有名で、そしてユニークな存在です。
30年以上に渡って日本人の精神と魂を観察してきた、私のような外部の人間としては、日本人が右脳と左脳の両方の洞察力と、エネルギーをすべての努力に適用する能力を持っていることが、貴重な文化的特質であると考えます。
一方、日本文化には並外れた感情的な性質を持つため、調和のとれた人間関係を維持するのは、複雑で時間がかかるという右脳のマイナスの側面があります。
実際、日本人との調和のとれた関係を維持するのは難しく、この難解な文化と社会をうまく乗り切るためには、常に細心の注意を払わなければなりません。
これは日本人が、感情的に複雑でない文化を持つ人々と、関係を維持しなければならない場合には尚更です。
日本の複雑な上下関係の中で、適切な人間関係を維持することの難しさは、私は何度も経験しています。
日本の文化に同化し、日本の右脳的な考え方を理解するために避けられない成長の痛みを経験することで、貴重な、そして多少の痛みを伴うとしても、多くの教訓を得ることができるのです。
1870年から1890年にかけての日本の工業化の中で、日本の近代化のためには、左脳的な意思決定と行動の発達が必要でした。
第二次世界大戦で日本が敗れた後、アメリカの大衆文化が輸入されたことで、右脳文化はさらに侵食されていきました。
実際、この30年間に日本人の間では、右脳型の日本人が左脳型の思考に汚される事が多くなってきました。
これは、「アメリカ文化」というものが存在するとすれば、それが絶え間なく浸透していることに起因していると考えられます。
しかし、この侵食のプロセスは、まだ日本の文化や精神の核心にまでは届いておらず、日本語はほぼ無傷のままで、生まれたときから右脳にプログラムされ続けているのです。
ここ数十年の間に、日本人の多くが英語に馴染んできた訳ですが、その結果は様々でしょう。
日本人の左脳に英語が刷り込まれれば刷り込まれるほど、日本人は左脳的な思考や行動に切り替えられていくのです。
しかしながら、多くの日本人にとって、英語を話したり聞いたりすることは、特に言語能力が高くない場合には疲れるものです。
このことは、私の特別な配偶者もその一人です。彼女は英語を学び始めたのがかなり遅かったので、今でも英語は疲れるだけでなく、うるさいと感じているでしょう。
確かに、日本の文化の中心は右脳であり続けるでしょうし、それはこの変化する世界では利点になるかもしれません。
来週は、日本人の右脳について更に詳しくお話ししましょう。




