右脳・左脳 – パート1
右脳・左脳 – パート1
もう何年も前のことになりますが、日本在住の作家のボイエ・ラファイエット・デ・モンテが書いた「何故日本人は優秀な人々なのか」という本を読みました。
ボイエ・ラファイエット・デ・モンテ氏は、「和」「根まわし」「改善」「建前と本音」「渋い」「わびさび」などの日本ならではの言い回しを西洋に紹介した最初の作家の一人であることを覚えておいてください。
この本に書かれていることの多くは大変興味深く、特に30年以上日本の文化や社会に浸ってきた私にとって、とても真実味のあるものでした。
日本人のDNAには、「気が進まない」という気質が組み込まれています。そのルーツは古代日本の文化から、常に潜んでいるのです。
言い換えれば、日本人は完璧でない思考、行動、製品には不満を持つように文化的にプログラムされているのです。
それが「改善」の精神であるとも言えます。
さて、左右の脳の機能と役割には、科学的に基本的な違いがあることが分かっています。
左脳は、直線的な思考をするようにプログラムされており、日常的に繰り返される身体的な動作、論理的な思考、直接的な言語によるコミュニケーション、事実に基づいた客観的な判断などを行うようになっています。
一方、右側は、感情、直感、人間関係、美学、相互協力、グループ志向、非言語的なコミュニケーションや間接的なスピーチによる調和の維持などを司ると言われています。
もちろん、右脳と左脳の働きには、重なる部分もありますが、基本的な機能は異なっており、どちらの脳が働いているかによって、人の行動や反応は異なってきます。
左脳では、宗教や美学などの思考に、一方、客観的で事実に基づかない難解なテーマを考えるときには右脳が活躍します。
この種のテーマが議論になる時、感情的になることからも分かるでしょう。
基本的に右脳型の文化を持つ人の中には、工学、数学、科学研究などの実用的な方法を追求する際に、左脳型の思考に切り替えることができる人がいますが、これは優れた才能と言えます。
このような考え方をする人は、両脳を同時に使うことで恩恵を受けることができます。これはホリスティックシンキングと呼ばれるプロセスです。
そして男性と女性の脳の基本的な方向性にも大きな違いがあります。
左脳型の文化圏では、女性は右脳型の考え方や行動をとる傾向があります。言い換えれば、女性の態度や行動は男性よりも感情的で直感的です。
明らかに女性は男性よりも思いやりがあり、育てやすく、美的感覚に優れているように生まれついています。
右脳型の文化圏では、女性は男性よりも右脳型ではない傾向があります。彼女たちは右脳文化の男性よりも思いやりがあり育つ一方で、生存のための特性として、より直接的で現実的な態度や行動をとるのが一般的です。
中国、アメリカ、ドイツ、イギリス、ロシア、イスラエルなど多くの文化が左脳型です。
スペイン語圏、フランス、イタリアなどの文化は、左脳と右脳の思考と行動が組み合わさっていると考えることができます。
地球上で最も右脳的な文化は、日本と南太平洋のポリネシア語圏の国々です。
実際に、日本人の右脳志向が、多くのポジティブな日本文化の特徴の主な原因であることを示す十分な証拠があります。
また、第二次世界大戦後30年足らずで、資源に乏しい小国である日本を経済大国に変えたのも、日本人の右脳志向が大きな役割を果たしたと考えられます。
この驚異的な経済的成長には理由があり、この世の中の不安定な未来においても、日本人にとても有利な特性であと言えます。
次回以降は、左脳・右脳現象と、文豪ボイエ・ラファイエット・デ・モンテの「何故日本人は優秀な人々なのか」という思考を探っていきます。