方- パート2 – 「仕方」
方- パート2 – 「仕方」
仕方」は、日本語の中で最も使われ、意義のある言葉と言ってもいいでしょう。
そして最も重要なのは、その文字の作りと順序です。
仕方の仕は元々「支える」と「仕える」を組み合わせたもので、弱い者が強い者に仕えるという意味になります。
人生に「方」を加えると、「三途の川」を渡る時が来る日まで、人生の長い旅が始まるのです。
生き方
考え方
書き方
読み方
食べ方
日本の思想や行動は全て、この中の「方」の影響を受けていると言っても過言ではありません。
「方」はまた、宇宙の物理的、精神的な法則を取り入れており、日本人は宇宙を大きく整然とした存在と捉え、物事別に行われる方法のことを「方」を含む文字で表します。
「方」と秩序は、社会や宇宙の中で調和を表現し、維持するための基本的な手段と考えられています。
歴史的に見ても、日本人は「方」そのものを現実的に、物質よりも優先してきたのです。
また日本人は、正しい「方」を精神的にも肉体的にも、長期間練習すれば、何でも成し遂げることができると信じています。
日本の大都市の片隅にある、隠れ家的なコーヒー ショップで、精通したマスターが、こだわりの方法で入れるコーヒーは、一見平凡のように思えるかもしれません。しかしその工程は「方」によって染み付いた、そのコーヒーショップでしか味わえない物なのです。
これはすべて神がかり的な「方」の最終地点への手掛かりです。
「日本のケーキを食べましょう」の記事で「包む」という動作の「方」についてをご覧いただけます。
日本の生活の中にある全ての「方」は、簡単に言えば「日本流」と言えるのではないでしょうか。
「方」の進化の中では、「方」を正しく守ることが道徳となり、「方」の概念の中にいる人々もいれば、そうでない人々とはっきり分かれます。
日本では、箸を使うことから、荷物を包むことに至るまで、生活の中で行われる様々な動作を行うためには、一つの「方」しかありませんでした。
日本人は内なる秩序(個人の心)と自然の秩序(宇宙の秩序)という概念を持っていますが、この二つは「方」によって結びつけられています。
実際、「方」は個人を社会に結びつける役割を果たしているのです。
もし人が明確に定められた「方」に従わなければ、人は同胞との調和を欠いているだけでなく、自然との調和も欠いているのです。
日本人が直面する課題とは、自分の「本心」を知ること、つまり自分の「本心」や「正しい心」を知ることでした。 それを理解した後は、社会や秩序ある宇宙との調和を保つための「方」を学び、それに従うだけでよいのです。
毎日の振る舞い、適切な礼儀作法、仕事のスキル、プロ意識の学習は、基本を学び、その後、規定の型、順序、方法で必要な行動を達成するために自分のスキルを開発するために必要な事なのです。
このようなルールと形式の網の中で、生涯に渡り経験する事は、日本人にとって、あらゆる状況にも正確なプロセスと形式があることを自然なものにしています。
「日本の道」と他の多くの国や社会で発達した習慣との大きな違いは、日本人は「方」に基づいて自分の存在を創造しているという事であり、偶然や個人的な傾向に委ねられることはほとんどありません。
では「方」はどこから来て、どのように進化してきたのでしょうか?
「方」のルーツと歴史を探りながら、「方」がどのように進化し、今日に至るまで日本社会を形成し続けているのかを、更に探っていきます。