海の幸
海の幸刺身
即ち、刺身は直訳すると生魚ですね。刺身というこの日本語がこんなに世界の外来語として使われるとは、かつては誰も思ってもみなかったでしょう。
考えてみて下さい。特に西洋の人間には生で魚を食べるという事は論外ですね。
その生魚を初めて食べた日本人はすごいと思います。
しかしながら、一旦生の海の幸の素晴らしい味を知ってしまったら、もう知らなかった時の自分には戻れません。
刺身の舌触りや口当たりは慣れるものです。
そして特に非常に重要で楽しみな事は、旬のものをいただく事です。
例えば秋には秋刀魚の油がのり美味しくなります。新鮮なおろし生姜と一緒に食べればその味は凄まじいほど。
更に秋刀魚は塩焼きもお勧めです。カボスや柚子などを絞ると更にグレードアップ。
そして10月の下旬頃、私が大好物の鰹は、その年の春夏に北海道の新鮮な餌を食べて育ち、私達の食卓にのぼります。
この魚も油がのって、そして新鮮なおろしにんにくをのせていただくと、これがまた驚くほどの美味しさです。
にんにくは特に青森県産の物がお勧めです。
それから私にとって当初、鮑の肝を食べる事は論外でしたが、今では鮑の肝だけではなく、その他の魚の肝もとても美味しいと思います。
鮑の肝は今では私の大好物なのですが、どのくらい好きかと言いますと、鮑の肝の物語のビデオを作ったくらいです。 (新潟県佐渡島産アワビ祭り)
しかし毎度一目惚れという訳ではありません。
一番最初にウニを食べた時は本当に不味くて、この世の物とは思えませんでした。
おそらくその時に食べたウニは、新鮮ではなかったようで、すぐにはファンになれませんでした。
しかしながら、再び寿司屋のカウンターに座り、勇気を出してまたウニを注文してみました。そしてその時のウニは今までの自分の概念を捨てなければならないほど新鮮で、これもまた驚くべき美味しさだったのです。 (うにって何?
魚の一番美味しい食べ方は、やはり刺身でしょう。
刺身は一流の料理人による鋭い包丁さばき、そして芸術的な盛り付けが更にその価値をアップします。
さあ想像してみて下さい。大根や海藻などのツマで彩られ、季節の花や葉で飾られた美しい刺身の盛合せを。
もし日本の料理の中で、一つだけ選ばなければならないとしたら、私は刺身を選びます。
刺身は日本の食文化の中で最も洗練された美食だと、私は思います。