私は昔からあなたを知っている、でもあなたの名前は知らない
私は昔からあなたを知っている、でもあなたの名前は知らない
私は1992年から大企業の子会社と関係があります。
1970年の創業時からこの会社の工場に、無愛想ですが、しかし案外親切なエンジニアがいました。
彼はいつも私を「あんちゃん」と呼んでいましたが、これはこの突出した日本の階層社会で使用するのに適した呼び方だったようです。
通常「ちゃん」は女児の愛称として、また「くん」は男児に使われる敬称の一つですね。
そして時には大人にも使います。
大人に対して「ちゃん」のような敬称を使用することは、外国人からすると、いじめのように思うかもしれませんが、この場合は不快な意味ではありません。(軽蔑的な意味で使ってはいけませんが)
特に先述のケースでは、白人である私とその工場のエンジニアにとっては異例とも言える親愛を示していました。
私は今までに会社の親睦会でこの男性と何度か会う機会があったのですが、その時彼はいつも私を「あんちゃん」と呼んでいました。
そしてとうとう彼が退職する日が来て、別れを告げようと私の席に来た彼が言いました。「ねえ、あんちゃん、あなたの名前は何というの?」それはなんと私が彼に初めて会ってから20年もの歳月が経ってからのことでした。
彼は長い間私を「あんちゃん」と認識していました。そして興味深いことに、これは私たちの関係にとってなんら問題が無かったのです。
彼は実際に私を本名で呼んだことは一度もなかったのですが、最後に「あんちゃん」と知り合いになれて良かったと言いました。
そして私は日本の階層社会において、全ての人々に正しい肩書や敬称を使うことの重要さを知りました。
例えばある専門家に対して「先生」という敬称を使います。「先生」は一般的に学校の教師に使いますが、医師、弁護士などの専門職にも使います。
私は以前には肩書や敬称を間違えたり、敬称を付けずに誰かを呼んだりして、思いがけず問題になったことがありました。
親密な関係の人にだけ敬称を付けずに呼ぶことができます。「呼び捨て」と言いますが、社会生活の中でこれを使うことは大変なルール違反です。
適切な肩書や敬称がわかるまで、姓でも名でもいいので、誰にでも「さん」を付けることをお勧めします。
そうすれば日本の組織社会に対応できていると言えるでしょう。
私は最初はこのような呼び方のルールに抵抗を感じ、日本人と「友好的」になりたかったにもかかわらず苦労しました。
海外の方へ。Land Of The Rising Sonを訪れたり、又は住む機会があったら、必ず他の人を呼ぶ時に「さん」と付けて下さい。あなたは思いやりのある外国人だと思われることは間違いありません。