窓際族

Feb 17, 2021ブログ, 文化

窓際族

窓際族とは?

それは企業の出世街道の中で、誰もが恐る悲しい場所なのです。

参考までに、1973年10月から1974年3月までのオイル危機の際の日本の大規模な化学製品の商社でおきた実際の話と、この日本企業が従業員についてどのように考えていたかから始めましょう。

No Toilet Paper Japan 1973

日本は美しい島国ですが、天然資源が少ないので、工業製品を作るための、燃料や原材料のほとんどを輸入しなければなりません。これは知っておくべきでしょう。

この時のオイルショックの為、大手の日本の化学商社は、現代文明が構築される重要な石油化学材料の供給を停止しました。

この突然の原材料不足により、すべての工場が閉鎖され、従業員の大部分が休業状態になりました。

実際のところ、この日本の大企業は1人の従業員を解雇することなく、数千人の従業員全員は工場の整備や、環境の再構築などや、やらなくてもいい時間潰しの仕事もやらされていたそうです。

関係者全員にとって幸いなことに、オイルショックが収束し、勤勉な社員達がその後の数十年間、工場をフル回転で運営し続け、日本を世界で2番目に大きな経済に変えました。
アメリカに原爆を落とされ、荒廃しきった日本の、わずか数十年後の姿だと思えますか?

Japan's economic chart going up

もちろん、すべての日本人が勤勉で気配りのある労働者であるわけではなく、怠け者はすぐに恐ろしい窓際族の候補となります。

では、これらの正社員が企業というファミリーに貢献しなくなったとき、日本の大企業はどうするのでしょうか。

その人達の末路とは、出世街道から滑り落ち、窓の近くでありながら、真っ暗な冷たい無表情な席へと直行します。

窓際族の世界へようこそ。

stressed out Japanese employee

そして窓際に追いやられた社員は、退職するまで孤独な日々を過ごし、他とは何の関わりもなく、責任もありません。多くの企業に窓際族はいるでしょう。それは本当に悲しく、哀れな場所なのです。

近年では、日本の多くの企業は60才の定年後、優秀な人材に対して給料は幾分下がるとは言え、5年あるいは10年の復帰を求めます。

年をとったとはいえ、優秀で勤勉なサラリーマンは大企業若い従業員を指導し、知恵を与え、会社に貢献し続けます。

話は飛びますが、アメリカの企業のように、仕事が上手くできない人間を解雇するというのは、ある意味で潔く、自分の人生をやり遂げるという意味では良い方法かもしれません。

Every new beginning comes from some other beginning's end

悲しいかな、孤独な、そして落胆した窓際族は復帰を求められることはありません。

もっと悪いことに、窓際族は「首を洗う」ようにと言われるかもしれません。

その昔、罪人は処刑場で首を切り落とされる前に洗っていました。

この文明社会になってもその名残で、解雇される事を「首を切られる」又は解雇する側からは「首を切る」と言う恐ろしい比喩として使われています。

「お前は首だ」

Donald Trump You're Fired

日本の終身雇用の文化:
昔の日本では、転職は不誠実な人間がする事と考えられていました。
もし転職したとしても、移転先でも裏切り者のレッテルを貼られます。
スキルに関係なく常に部外者と見なされるため、実際に新しい企業に馴染むことは難しいでしょう。