節目
節目
人は常に重要な節目を通り過ぎ、気づかないうちに、宛てもなくさまよい、右往左往し、時には完全に止まってしまい、どこにも行くことができない事があります。
これを「マンネリ」といい、最悪の場合、時間をかけて誤った判断をした結果、意味のない行き止まりの人生になってしまうのです。
長年、倦怠感を味わっていると、ある発見があります。
大切な節目は、どんなものであっても無視してはいけないという事です。
日本に来て数年後、自分の日本語能力は永遠にただの「上手ですネ」の範疇に留まるということを痛感し、落胆の念を抱くことになったのです。
文化的なポイント1:日本人に「日本語が上手ですネ」と言われた時は、少しでも日本語でコミュニケーションが成立していると思っていいでしょう。
文化的なポイント2:しかし、日本人は相手に親切のつもりで言うのですが、日本人とのコミュニケーションを深めようとする外国人にとっては、刺すような皮肉にもとれます。
どこまでも、いつまでも、神様になる日まで、まだまだがんばらなければ。
節目
文部省は、2,136字の表意文字と、ひらがな、カタカナからなる日本語のカリキュラムを義務づけています。
日本に来て数年が経つと、日本語の読解力がなければ、読み書きする事が難しいという事が分かってきました。
幸いなことに、2冊の重要な日本語学習書が出版され、そこには体系的な学習方法が記されていましたが、それでも私にとって、漢字の学習は大変なことでした。
しかし、漢字への挑戦がいかに困難に見えたとしても、最も重要な分岐点の一つだったのです。
日本語の文字が読めるようになった事で、日本語が読めない人とは違う、大きな可能性が生まれました。
節目
人生におけるすべての人間関係は、慎重に検討しなければなりません。
人は皆、人生の中で様々なペースで進歩し、多くの場合、時間の経過と共に、互いの価値観が変化します。
古い関係が、もはや役立たないことを認識し、その重要な節目が明確に見えたら、常に前進することが賢明です。
人が成熟するにつれ、人生のはかなさと、自身の旅がいかに早く終わってしまうかを理解するようになります。そしてお互いの啓発に役立たない関係は、終わらせることができるのです。
節目
来年、人生の60年目の節目を迎えるにあたり、最も重要な分岐点が現れ、次のステップの必要性を無視することができなくなりました。
生まれ故郷の国が無秩序に崩壊していくのを見ると、かつて自分が育ててもらった美しい社会は、もはや遠い記憶と化しています。
先日、私は最愛の母にこう言いました。
95歳まで生きれば、もう1度、日本で充実した人生を送ることができるでしょう。
私にとっての分岐点は、生まれた国の国籍を捨て、家族、一族、地域社会の国である日本の国籍を取得することです。
このような決断は容易ではありません。しかし、節目の入り口には、しばしば燦然と輝くスポットライトがあるのです。
日本語の読み方を理解した今、日本の隅々まで、そして日本人の心や精神、心の中にある豊かな魔法が、はっきりと見えるようになったのです。