風呂道

May 2, 2020

風呂道

日本での入浴は本当にユニークな体験です。

ブリティッシュコロンビア州中央部で育った私の子供の頃は、毎週日曜日の夜しか風呂に入りませんでした。そして入浴術など考えたことも無く、バスタブに飛び込み、ただ体を石鹸で擦って洗い流すだけ。日本のように洗い場が無く、バスタブの中で洗いもすすぎも完結するのです。

古いカナダの家にはシャワーもありません。

日本での入浴の概念は、私のカナダでの遠い日の思い出とは大きく異なります。

第一に、日本人はいつもきれいな湯船に入る前に、まず自分自身を軽く洗います。これは理にかなっていますね。

そして一旦、西洋の物よりも深く肩まで浸れる湯船に入り暖まります。その後もう一度湯船の外ですべての垢をこすり落とした後、再度湯に浸かり仕上げます。

西洋と異なる概念のもう一つには、多くの場合、母親と父親は子供が小学校の年齢まで一緒に入浴します。

さらに日本のお風呂タイムは一大イベントにもなります。

実は先日ここよりも更に田舎に住む友人を訪れたところ、偶然にも九州からのゲストが何人か来ていました。

このゲストに会うのは初めてでしたが、翌朝には車に飛び乗り、大きな風呂のある和風旅館に行くことになりました。

男3人服を脱ぎ捨て、体を洗い、周囲の山々を眺めながら露天風呂でくつろいだり、おしゃべりしたり、楽しく過ごしました。

男同士、風呂の中で全裸で座っている時ほど、新しい知人との絆が深まることはないでしょう!

この古い日本の旅館には炉端があり、私たちは皆お風呂の後に炉端焼きでフグの干物を焼き、その土地ならではの山菜料理を楽しみました。本当に美味しかった。

日本ではホテル、伝統的な旅館、パーティも楽しめる新しいスタイルのスーパー銭湯など、至る所で風呂道が行えるのです。

日本の風呂を体験すると、入浴とは自分を洗うという日常の習慣だけではなく、儀式であるということがわかります。入浴は単に体をきれいにするにだけでなく、自分の心と魂をも浄化するのです。

是非Land Of The Rising Sonで日本のお風呂を体験してもらえたら幸いです。