日本人とは
日本人とは
日本人は古来より「型」に基づいた文化的環境の中で生まれ育ちました。
何世紀にも渡り先代から伝わる厳しい指導を受け、日本人一人一人が自然に第六感を養い、日本的な美意識を身につけてきたのです。
デザインの美学は職人技というだけでなく、日本社会で成功するために不可欠な、形、秩序、工程といった、概念的で崇高な社会的プロトコルにまで意識を広げていたのです。
形、秩序、工程は、日本社会の三本柱であり、日本古来の制度の基盤でもあります。
日本人は、島国という環境によって孤立し、何世紀にもわたって日本式の型制度の中で生活してきたため、他国の習慣、行動、習慣にほとんど触れることがありませんでした。
そのため自分達のやり方からの逸脱に敏感でした。
1860年代に日本に工業主義が導入された時も、武士階級が消滅しても、日本の型文化が終わることはありませんでした。
「型」という概念は何千年にもわたって大切にされてきたもので、日本人であることの根源的な部分にまで浸透しています。
「型」の核となる哲学は進化的であり、日本人の精神に不可欠な要素なのです。
そして「型」というものは、日本人の習慣や風習の中にも深く入り込んでいます。
日本古来の型文化は、徳川幕府の崩壊後も進化を続け、1867年の明治維新から始まった工業化経済発展の中で、暗黙の了解として自然に浸透していきました。
態度や行動が伝統的な「型」のやり方に合わない者は、日本の上位の制度から外されました。
会社や組織でも、この国の「型」に合わない者は排除されました。
今日でも、綿密に構成された初等・中等教育を見ると、非常に特殊な「型」を観察することができます。
日本の義務教育が始まって以来、制服の着用や、お辞儀の仕方、厳格な授業中、給食の配膳など、すべて社会の形式、秩序、工程を表すプロトコルでしょう。
生徒一人一人が文化とシステムの均質な産物として形成されるように設計されており、「型」どおりに日本人であることの意味を植え付けるように設計されているのです。
幼少期から10代にかけてこのような厳しい規則の中に置かれた結果、共通の「日本人」としての特性が強化されるのです。
この統一された特性は、革新的な役割を果たしています。
明治維新以来、日本人は多様性プロトコルの先駆者であり、この厳しい社会の掟に従うことができる者は、どんな階級の者でも組織の中で成功することができると言ってもいいでしょう。
日本人の「型」による性質は以下の通りです。
1. 明確に定義された排他的なグループで一緒に仕事をすることを強制される。
2. 自分たちのグループと日本に対する厳しい忠誠心。
3. 高度なバランス感覚、形、秩序、プロセス。
4. 精密さ、正確さ、正しさに対する直感的な感覚。
5. 手先が器用で、特に細かい作業を得意とする。
6. 一心不乱に仕事に取り組む素質がある。
7. 誰よりも優秀でありたい、誰よりも優れていたいという強い欲求がある。
ここで注意。
例え自分が優秀であっても、社内の調和を保つためには、謙虚な仮面の下にその才能を隠しておくことが必要です。「脳ある鷹は爪を隠す」
現実とは。
日本の集団主義や共同体とは対照的な、個人主義的なエゴイズムの状態で働く人々と比較すると、形、秩序、工程という概念により、肉体的、精神的に整えられた日本国民全体が、大きな優位性を持っているとは思いませんか?
さて、「型」の概念の良いところばかりをお話ししました。しかし、最後に以下のような側面もあることを確認しましょう。
1. 自分で考えて行動することができない。
2. 家族、学歴、大学、会社の規模、地位などで、全ての人をステレオタイプ化する。
3. 何か提案をして周りとの摩擦を起こすより、何もしない方がいいという事なかれ主義の傾向。
4. 外から圧力がかかるまで、現状を維持しようとする傾向。
5. 日本人と他の国籍の人や人種は別のものと考えてしまう。
日本社会の基盤は型文化にしっかりと根ざしています。そして「日本道」の形・秩序・工程の精神が常に現れているのです。