明治から続く味
明治から続く味
明治4年創業の153年も続く老舗、五代目大将の営む寿司屋で、極上の寿司を味わうという贅沢。
歴史ある大徳家の寿司屋は千葉県南房総の千倉にあります。私の第二の故郷であるここサニーチバは、県全体が不思議な神秘に満ちています。
次期後取りである大将の息子は銀座の老舗寿司店で修行中です。(修行期間は10年か15年との事)そして六代目となる息子さんは、唯一無二の伝統の味を守り続るでしょう。
先祖代々の寿司職人が、同じ味の寿司を作り続けているのを見ることができるのは、家族の歴史が店という形になって残っているからに他なりません。
150年前の海や畑の味を再現している店は、世界中を探しても滅多に見つからないでしょう。
日本の魅力のひとつは、明治維新以降、近代化が進んでも、「日出ずる国」の隅々にまで、古き良き日本の姿を残す商売があることです。
しかし、日本人の本質として、大徳家には明治のエッセンスが凝縮されているのです。
栗原大将は、先祖を敬い、歴史ある料理に手を加え、この素晴らしい芸術の神聖な遺産を守りながら、先代の上に立つという「カイゼン」の精神を今呼び起こすのです。
特別な老舗といえば、歴史が深い山形県の西山温泉慶雲館は、52代に渡り同じ家族によって運営されている史上最古の旅館です。
西暦705年に創業し、現在も営業を続ける老舗旅館は、ギネス世界記録にも認定されており、稀に見る偉業と言えるでしょう。
日本ならではの食文化とも言える寿司や刺身などは、この30年以上にわたって世界中に浸透してきました。それはとても興味深いことです。
生魚の風味と食感を理解できる世界中の人々が、神々の糧である食材を愛する。私はそう考えると心がとても温かくなります。
真の海の幸を知る者であれば、できることならこの寿司店に足を運び、明治時代からの寿司の味を味わってみて下さい。
千葉県の千倉町という風光明媚な町にある、この店でしか味わえないのですから。