お盆:ご先祖様と過ごす時間

お盆:ご先祖様と過ごす時間

お盆:ご先祖様と過ごす時間

お盆:ご先祖様と過ごす時間

日本で最も重要な風習の一つである「お盆」は、ムシムシとした暑い夏、八月の真っ只中に行われます。

西洋社会から来た私は、最初はこの風習を奇妙に感じましたが、お盆の意味を理解できるようになると、この「日出国」で様々な経験をしている私にとって、この概念はとても魅力的なものになりました。

先祖を崇拝することは、他のアジア諸国でもよく見られることです。例えばカンボジアに旅行した時、彼らと日本人の祖先崇拝の考え方が、とても似ていることが分かりました。

お墓

日本人は伝統的にお盆に帰省しますが、その故郷への愛着心は西洋人とは異なる感覚でしょう。

日本では、お盆に故郷に帰ると先祖の墓参りをし、そして家の玄関先で麻の茎を乾燥させた物(おがら)を燃やして「迎え火」を焚き、ご先祖様の魂を招き入れます。提灯を飾り、仏壇に供え物やお酒などを供えて、三日間祀ります。

そして仏壇には線香をあげ、祈りを捧げ、ご先祖様の生前の犠牲と忍耐に感謝をし、そして三日間後には「送り火」を焚き、あの世に送り返します。

仏壇

儀式マナーの注意点:ご先祖様にあげるお線香は、絶対に口で炎を吹き消してはいけません。手であおいで消すのが習わしです。

お盆の頃に、先祖代々続く旧家を訪問した時、近所の子供たちがハッピふんどしという出で立ちで、各々の家を回って太鼓を叩きながら、先祖代々の霊を唱えていたことを思い出しました。お盆の伝統は地域によって異なりますが、この時の特別な体験は茨城県のある地域で見ることができました。

ハッピ

またこの時期には、約600年前の歴史にまでさかのぼる「盆踊り」と呼ばれる巧みな踊りがあり、全国各地で盆踊り大会が行われます。盆踊りは先祖代々の犠牲を偲び、感謝するという意味があります。

盆踊り-02

もしあなたが何かを崇拝しなければならないとしたら、あなた自身の祖先を崇拝すべきだと私は信じています。ご先祖様には、本当に感謝すべきだと思いませんか?自分の先祖と、先祖から受け継いだ自分自身という遺産に乾杯しましょう。

そしてこれは声を大にして言いたいのですが、生きている内に、親孝行、おじいちゃん、おばあちゃん孝行という形で先祖を崇拝しましょう。元気な内にそうする事で、生きたご先祖様の経験という価値ある歴史や文化に触れることができるのです。

私は、私の生まれた国と日本の両方のご先祖様に感謝の意を表します。

ボーナス:日本人の死の捉え方についてのブログを書きました。

日本人にとって死とは

盆踊りを踊ってみよう。

桜・日本人の心

桜・日本人の心

桜・日本人の心

桜・日本人の心

はい、愛読者の皆さん、またこの季節がやってきました。私たちの人生と同じ様にはかなく短い、それでいて美しく誇らしく咲く桜の木の下に集まり、私たちの人生についてお祝いをする季節ですね。

これは日本中で行われる、ただの大きなパーティーなのでは?と外国人は思うかもしれません。しかし実は、日本人にとって花見とは、より深い意味と意義を持っているのです。

桜が咲き始めた時、日本人は集まって、そのはかない桜の花と自分を重ね、これまでの一年間を振り返ります。地面に敷物を敷き、座って、食べて、飲んで、そして時には、雄大な桜の木の下で歌ったり踊ったりもします。

特に今年は、世界中で大変な問題が起きているため、2020年の私たちの旅は大きな意味を持つでしょう。

3月の下旬から4月の上旬にかけて、この美しい桜はほんの数日のうちに風にあおられて散ってしまいます。まるでその人生が終わるかのように。

それは今ここにいる親愛なる読者のあなたと私で過ごす、この時間も同じで、一生の内のほんの一瞬なのです。

1987年、私にとって初めての花見の時間は、人生の中で非常に深く有意義な経験の1つになりました。

わずか数か月前に日本に到着したばかりだった私の日本語は、恥ずかしながら、ほとんどゼロに等しいレベルだったのです。

なぜこの時の思い出が、私の生涯に渡って深く永遠に印象を残したかと言うと、ある素敵な日本人女性が「花見道」をさりげなく自然に私に伝えてくれたからなのです。

本当に多くの意味で深い日本人の心を見せてくれました。

このお見事な花見パーティーで、英語が話せない15人の日本人学生や友人の中、私はたった一人の外国人でした。

他のみんなは日本語を話し、しかし私には誰一人として話している言葉が理解できなかったのです。そのことを除いて(まさに酒池肉林!)私たちは皆、ゆったりとした時間を過ごしました。

もちろん、私にとっては別世界の特別な経験だったので、実はとても楽しんでいたのでした。

しかし突然、宴もたけなわの時、この素晴らしい女性は、校長先生のような大きな声で、そこにいるみんなに声をかけました。みんなは静かになり、神妙な面持ちになりました。「ほら、ここにいる彼は日本語が話せないでしょ。他のみんなは楽しんでいるけど、これではせっかく大切な外国人のゲストがかわいそうでしょう。今からみんなで英語で話しましょう」。

これが笑えない状況だったのは、そのことで楽しい時間が壊れてしまったことでした。二人くらいは英会話の初心者がいましたが、他の人は全く英語が話せなかったので、これは本当に深刻でした。

そして私はそれに対して誠意を持って言いました。「いいえそれは違います。ここは日本なので、私は日本語を学んで、これからはみなさんの母国語で話すようにします!」と宣言しました。

私がそう言ったことで、みんなは私に共感し、この花見パーティーは更に盛り上がったと思います。

その時まだ「おもてなし」の精神については知りませんでしたが、ここで私は、それをすでに経験していたのでした。

因みに「おもてなし」という言葉は英語に訳すことはできません。「ホスピタリティ」という言葉はありますが、かなりニュアンスが違うものです。「もてなし」は、日本のDNAに織り込まれ染み込んだ文化的慣習です。

是非日本に来て下さい。そうすれば「おもてなし」の本当の意味が分かるでしょう。

雛祭り-桃の節句

雛祭り-桃の節句

雛祭り-桃の節句

雛祭り-桃の節句

毎年3月の初めに、ここ日本では壮大な雛祭りが全国各地で開催されます。

 ご覧のように、日本の古代文化は近代に未だに残っており、現代も健在です。

雛祭りのメインというと雛人形を飾ることですが、男雛と女雛は天皇と皇后と考えても良いでしょう

飾られた人形の衣装は平安時代の皇室のものがモデルになっています。

これらの精巧に作られた雛壇飾りには、三人官女、五人囃子、右大臣、左大臣など、様々な人物の人形が配置されます。

これらの全体を雛飾りと呼びます。

雛飾りは一般的にかなり高価です。品質にもよりますが、五段飾りのセットで20万円から50万円くらいするでしょう。そしてまた、古い世代から家宝として受け継がれる場合もあります。

茨城県のような日本の一部の地域では、各家庭での競争となる時もあり、これらの雛飾りは最高で1,000万円以上の物もあります。

雛飾りの人形たちは一年のほとんどを押し入れで過ごし、女の子とその母親は3月3日の数日前に飾りつけをします。

男の子は雛祭りのお祝いには参加しません。なぜなら男の子は5月5日の端午の節句にお祝いをするのです。現在はこの日を子供の日と呼んでいます。男の子は雛飾りの代わりに、兜飾りや鯉のぼりを飾ります。時期が近くなりましたら、これについて詳しくお話ししたいと思います。

雛祭りの翌日にはひな人形を片付けなければいけません。それ以上遅くなると、娘の結婚が遅れるという迷信がありました。

歴史的には、人形はおもちゃとして使用されていましたが、現代では展示するだけの目的になっています。

雛祭りの当日あるいは前日、女の子は友達とパーティーを開きます。

代表的な食べ物には、雛あられ、ひし餅、桜餅、甘酒、ちらしずし、ハマグリの吸い物があります。ハマグリの貝殻は対になっているので、夫婦円満の縁起物と言われています。

さらに喜ばしい楽しいことには、全国各地で開催される「流し雛」という催しがあることです。

参加者は藁や紙でできた人形を作り、船に乗せて川に流します。これは流した人の魂の汚れや罪を流すということになります。この儀式は神道のようだと思うかもしれませんが、このような催事のほとんどが日本道すなわち神道の下に行われているのです。

この素晴らしい雛壇をご覧ください。

もしこの時期に、この日出る国にお越しいただけましたら、日本全国でこのような貴重で特別な芸術作品をご覧いただけます。